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論述
Total condylar prosthesisによるRA膝置換術
著者: 宮永豊1 田川宏1 三井弘2 加幡一彦2 中村千行3 園崎秀吉4
所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室 2三井記念病院整形外科 3浅間総合病院整形外科 4都立駒込病院整形外科
ページ範囲:P.736 - P.743
文献購入ページに移動近年,慢性関節リウマチ(以下,RAと略す)に罹患した膝関節に対する外科的処置の最後の手段として人工膝関節置換術が盛んに行われている.しかし人工膝関節は選択に迷うほど多数の種類があり,しかも決定的なものがないのが現状である.したがつて現時点では手術適応や機種の選択には慎重な配慮がなされるべきであろう.我々はRA膝で高度な膝関節痛と関節破壊のため歩行不能あるいはそれに近い状態で保存的療法に抵抗し,手術により著明な機能改善が期待できる症例を手術適応と考えやむなく人工膝関節置換術を施行してきた.人工膝関節としては以前にはGeomedic typeを使用していたが今一つ満足すべき結果が得られず2年3ヵ月前よりTotal Condylar Knee Prosthesis(以下,TCKと略す)に変更し現在におよんでいる.現在はRAのみならず変形性膝関節症にも用いている.
本論文ではRA膝に対するTCKによる置換例の臨床成績(術後6ヵ月以上経過した例)を報告し,人工膝関節の選択上の諸問題や手術操作上配慮すべき点について検討を加える.
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