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臨床経験
気管無名動脈瘻の1例
著者: 菊地臣一12 野崎洋文3 田島健4
所属機関: 1福島県立医科大学整形外科学教室 2現在:日本赤十字社医療センター整形外科 3福島県立医科大学麻酔科学教室 4福島赤十字病院整形外科
ページ範囲:P.813 - P.816
文献購入ページに移動気管切開の適応,利点,欠点については既に論じ尽されているが,その合併症に関してはまだ未解決な問題を多く含んでいる.そのなかでも気管無名動脈瘻(trachea-innominate artery fistula)は,稀ではあるが致命的な合併症として知られている.脊髄損傷を取り扱う機会の多い整形外科医にとつて,気管切開に伴う合併症は常に直面し得る問題である.我々は頸髄損傷の患者に本症を経験したが,残念ながら救命し得なかつた.ここにその症例を報告するとともに若干の解剖学的ならびに文献的考察を加えて報告する.
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