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骨腫瘍における99mTc-methylene diphosphonateの集積部位とテトラサイクリン沈着部位との比較について
著者: 奥野宏直1 石田俊武1 林俊一1 高見勝次1 石川博通1 野村正2 大向孝良2 田中治和2 宋景泰2
所属機関: 1大阪市立大学医学部整形外科学教室 2日生病院整形外科
ページ範囲:P.860 - P.874
文献購入ページに移動99mTc-リン酸化合物が悪性骨腫瘍,一部の良性骨腫瘍,骨の炎症,骨の壊死や骨折などの部位に集積することは良く知らられている.しかし,集積像については疾患特異性がなく,またその集積部位や集積機序についても十分には解明されていない.我々は骨腫瘍における99mTc-diphosphonateの集積部位について検索し,99mTc-diphosphonateは,腫瘍性骨形成部位や軟骨の骨化および石灰化の部位に多く集積し,さらに腫瘍辺縁にて反応性に形成されている新生骨形成部位に強く集積すると報告したが7),さらに今回,骨腫瘍症例において,99mTc-リン酸化合物の集積分布と新しく石灰化しつつある骨組織や軟骨組織に沈着するといわれているテトラサイクリンの標識分布とを比較し,その結果から99mTc-リン酸化合物の集積機序に考察を加えたので報告する.
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