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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科15巻9号

1980年09月発行

文献概要

論述

脛(腓)骨列形成不全と裂足症の発現様式

著者: 荻野利彦1 石井清一1 八木知徳1 加藤貞利1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.875 - P.881

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緒言
 O'Rahilly5,20)は先天性の四肢欠損あるいは形成障害の分類にtransverse deficiencyとlongitudinal deficiencyの概念を導入した.Swanson23)はlongitudinal deficiencyに属する上肢の奇形に対して,発生軸を想定して橈(尺)側列形成不全と中央列形成不全に分類した.一方,下肢奇形についても,脛(腓)骨列形成不全と中央列形成不全に分けるのが妥当と考えられている11,25)
 これらの奇形の発現様式をみると,橈(尺)側列形成不全では,橈(尺)骨の形成障害が末梢の橈(尺)側指列にも波及して奇形が形成される.しかし,中央列形成不全に含まれる代表的な奇形である裂手症の発現様式は,橈(尺)側列形成不全の形成機序とは異なるとの報告10,12,14,18,19,24)が最近注目されてきている.すなわち,裂手症は中央指列のlongitudinal deficiencyではなく,指列の分離異常によつて形成されるとする説で,著者らも臨床像の分析と動物実験からの裏づけで,この考えの妥当性を支持している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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