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文献概要
臨床経験
慢性関節リウマチ肘関節に対するskin(cutis)arthroplastyの経験
著者: 石川浩一郎1 忽那龍雄2 坂口満1 岡元勉1
所属機関: 1熊本大学医学部整形外科学教室 2佐賀医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.916 - P.921
文献購入ページに移動肘関節形成術の歴史は古く,既に1882年Ollier18)により報告されているが,近年,特に慢性関節リウマチ(RA)患者に対して,1)RAの活動期でも安全にかつ十分な手術効果が期待できる6,21).2)RAでは頸椎,肩関節,手関節に運動障害を伴いやすく,肘関節機能が重要となる6,21).3)RAでは重労働を要する症例が少ない,などの点から肘関節形成術が広く適用されるに至つている.しかしながら,その手術方法は様々であり,骨切除のみによる方法4,6,11,12,20,22,25)や,種々の中間挿入膜,即ち,JK膜5,9,13,17),皮膚(Cutis)3,6,7,8,19,25),大腿筋膜5,10,14,20,23),OMS膜16)を用いたもの,更には中間挿入物として皮下脂肪24)またはsilicon cap12)を利用したものなどが挙げられる.我々は皮膚(Cutis)を中間挿入膜とした肘関節形成術施行後,2年以上が経過したRA患者5例7関節を検討したので若干の考察を加えて報告する.
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