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頸椎後縦靱帯骨化患者の性ホルモン定量(第1報)—殊にEstrogenとの関係
著者: 岡田征彦1 茂手木三男1 藤田隆一1 池田勝1 田部秀山2 梅田嘉明3
所属機関: 1東邦大学医学部整形外科学教室 2大和市立病院整形外科 3横浜東邦病院整形外科
ページ範囲:P.968 - P.975
文献購入ページに移動頸椎後縦靱帯骨化(以下OPLL)は,1960年教室月本の報告を嚆矢とするが,以来本骨化に対する関心が高まり,更には最近の診断技術の進歩により発見率も高くなり今や稀な疾患ではなくなつた.しかしOPLLの発生及び増大機序に関しては尚不明な点も少なくなく,その背景には局所因子の他に全身性骨化因子が存在することは疑いのないところであるが,この点については未だ解明されていない.
我々はOPLLの発生及び骨化増大機序を知るべく頸椎柱のみならず脊柱全体の静動力学的な面および動物実験的にも検索を行い,すでに数回に亘り報告して来た2,12,16,17).また先に我々は全身性骨増殖因子の一つと考えられているヒト成長ホルモン(HGH)について検討したが,OPLLの骨化増大とHGHとの間には直接の関連性を裏付けるデータは得られなかつた,今回は教室藤田の動物実験で蛋白同化ホルモンを投与した32羽の家兎のうち5羽の家兎に病理組織学的に骨棘とは趣を異にした所見が得られたところからOPLLと性ホルモンとの関係に着目してOPLL患者について種種の性ホルモンの定量を行い,いささかの知見を得たので文献的考察を加えて報告する.
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