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医学の進歩と整形外科の立場
著者: 荒井三千雄1
所属機関: 1秋田大学整形外科
ページ範囲:P.1019 - P.1019
文献購入ページに移動この偉業が,整形外科とは全く無関係に成し遂げられたことは,標題に掲げたような整形外科の立場についていささか疑念を産み,今も頭から消えないでいる.最近ではリファンピシン出現後の骨関節結核の治りの良さにも同様な傾向が窺えるし,また関節リウマチでも,病因の解明や薬物療法の進歩によつて,観血的治療の多くが不要になる可能性もある.骨肉腫に対する整形外科医の悪戦苦闘にもかかわらず,5年生存率の向上はごくわずかにすぎないが,将来,悪性腫瘍の画期的な治療法が出現して,飛躍的な進歩をもたらすこともありえよう.しかも,残念ながら,整形外科がこれらの進歩に主導的役割を演ずる可能性はきわめて少ないと思われる.
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