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シンポジウム 特発性大腿骨頭壊死
大腿骨頭壊死に対する各種人工股関節手術の適応
著者: 山室隆夫1 奥村秀雄1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1095 - P.1103
文献購入ページに移動大腿骨頭壊死に対する手術術式には種々のものがあるが,術式の選択は患者の年齢・性別・職業・合併症・骨頭壊死の範囲・骨頭陥没の程度・臼蓋軟骨の変化など多くの因子を総合的に判断した上で決められなければならない.その内でも特に年齢と骨頭陥没の程度は手術術式の選択に決定的な影響を与える.一般に60歳以上の高齢者であれば,術後のリハビリテーションが約1ヵ月余で終了するCharnleyの全人工股関節置換術が適応となるであろうし,比較的若年層で骨頭陥没の程度が軽微なものは専ら前方回転骨切り術が適応となるであろう.また,高齢者で全身状態のよくない症例では臼蓋軟骨の破壊がほとんど無ければ,Mooreの人工骨頭置換術でも十分に目的を達成することができる.
手術術式の選択の上で最も難しいのは50歳以下の比較的若年層でしかも骨頭陥没の著しい症例である.特に20〜30歳台の若年者で骨頭が著しく陥没してしまつている症例においては数十年後に起こりうる問題に対しても対処しうるような見通しをもつて手術術式を選択しなければならないと思う.本文ではわれわれの約40例の手術経験を基にして,大腿骨頭壊死に対する各種の手術術式の適応について考察を加えてみたい.
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