icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科16巻11号

1981年11月発行

文献概要

シンポジウム 特発性大腿骨頭壊死

大腿骨頭壊死に対する各種人工股関節手術の適応

著者: 山室隆夫1 奥村秀雄1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1095 - P.1103

文献購入ページに移動
はじめに
 大腿骨頭壊死に対する手術術式には種々のものがあるが,術式の選択は患者の年齢・性別・職業・合併症・骨頭壊死の範囲・骨頭陥没の程度・臼蓋軟骨の変化など多くの因子を総合的に判断した上で決められなければならない.その内でも特に年齢と骨頭陥没の程度は手術術式の選択に決定的な影響を与える.一般に60歳以上の高齢者であれば,術後のリハビリテーションが約1ヵ月余で終了するCharnleyの全人工股関節置換術が適応となるであろうし,比較的若年層で骨頭陥没の程度が軽微なものは専ら前方回転骨切り術が適応となるであろう.また,高齢者で全身状態のよくない症例では臼蓋軟骨の破壊がほとんど無ければ,Mooreの人工骨頭置換術でも十分に目的を達成することができる.
 手術術式の選択の上で最も難しいのは50歳以下の比較的若年層でしかも骨頭陥没の著しい症例である.特に20〜30歳台の若年者で骨頭が著しく陥没してしまつている症例においては数十年後に起こりうる問題に対しても対処しうるような見通しをもつて手術術式を選択しなければならないと思う.本文ではわれわれの約40例の手術経験を基にして,大腿骨頭壊死に対する各種の手術術式の適応について考察を加えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら