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論述
骨・軟部腫瘍のステロイドホルモンレセプター
著者: 小島伸三郎1 浜田秀樹1 栗崎英二1 水島哲也1 小野啓郎1 吉岡順朗2 佐藤文三3 松本圭史4
所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2大阪警察病院整形外科 3大阪大学医学部第三内科 4大阪大学医学部第二病理
ページ範囲:P.1135 - P.1144
文献購入ページに移動骨・軟部腫瘍の治療においては,外科的に切除する事が原則であるが,悪性腫瘍では腫瘍発見時にすでにmicrometastasisを起こしている事は定説であり42),早期からの全身的な治療が必要である.現在各種制癌剤が使用され効果を挙げているが,その副作用は大きく,今後の研究が望まれる.また良性腫瘍の中でも,骨巨細胞腫などは手術後の局所再発もまれではなく,適切な術式の選択とともに補助療法の開発も必要である.
今回私達は,乳癌や白血病等で行われている内分泌療法21,27,28,30,32)が標的腫瘍細胞に特異的に作用し,全身的な副作用が比較的少ない事に注目し,骨・軟部腫瘍での内分泌療法の可能性を検討した.私達は骨・軟部腫瘍のホルモン依存性を調べるため,その方法としてステロイドホルモンに特異的な結合蛋白,即ちホルモンレセプターの検索を行つた.
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