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シンポジウム 動揺性肩関節
動揺性肩関節に対するGallie手術
著者: 花村達夫1 高岸直人1 小野信彦1 岩崎敬雄1 城戸正喜1
所属機関: 1福岡大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1184 - P.1191
文献購入ページに移動動揺性肩関節の中でも,遠藤の分類でⅢ型に属するものや,随意性脱臼に進展したものなど,joint laxityの強い症例の治療はなかなか困難である.上肢を下げているだけで,すでに下方亜脱臼するような機能障害の強い患者には,保存的治療の効果も期待できず,手術適応となるが,いざどのような手術を行うべきかとなると選択に迷うところである.この病態に対して,従来の習慣性脱臼に対しての手術法では無効なことは諸家が指摘している5,12〜13).
我々は昭和51年以来,このような患者に対して,Gallie法1,7)を中心とした治療を行つてきた.Gallie法は,強固な烏口上腕靱帯の再建を主眼とした,いわばnew ligament plastyであり,術後の肩のstabilityの改善については安定した結果が得られるが,術後の可動制限など機能的な問題,侵襲が大きいなどの欠点がある.
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