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シンポジウム 人工股関節置換術—この10年の結果をふりかえって
カップ支持器と転子部プレート
著者: 藤原紘郎1 中山浩1 松井譲1 金高利昌1 角南義文2 井上一3
所属機関: 1水島中央病院整形外科 2竜操整形外科病院 3岡山大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.183 - P.190
文献購入ページに移動全人工股関節置換術(以下THRと略す)は多くの好成績が報告され,股関節外科に大きく貢献してきた.しかし人工股関節は生体力学的に正しい位置に固定することができて,はじめて初期の目的が達せられ好結果につながるものである.
THRの適応があっても生体側にそれを受け入れる条件を欠いている場合は,期待した結果が得られず,また耐久性も問題となる.たとえば寛骨臼底突出症(Protrusio acetabuli),股関節中心性脱臼骨折,人工骨頭置換術後やTHR後のmedial migrationなどで寛骨臼底に支持性を失っている症例,また大腿骨頸部内側骨折,femoral prosthesisのdistal migrationによってcalcar femorisが消失している症例などに通常の方法でTHRを行うと臨床的に愁訴は残り,耐久性も劣りその適応と限界が問題となる.
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