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シンポジウムI Multiply operated backの心因性要因
Multiply operated backの心身医学的側面
著者: 蕪木初枝1 大谷清1 佐野光正2
所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科 2国立武蔵療養所精神科
ページ範囲:P.240 - P.246
文献購入ページに移動慢性疾患をもつ患者が自己の身体症状について,その消長に多大の関心をはらつていることは当然であるが,腰痛症例の場合,こうした内面的な精神心理学的動揺を診療者側はあまり意に介していない.多くの場合,精神的因子は身体症状と切りはなされ,神経症的傾向のある症例にとりあげられる程度であるが,実際には医師患者関係の基盤として,診療の第一歩からこのことは考えられねばならない
腰痛を主訴とする症例の脊椎手術は絶対適応の範囲が限られており,多種多様な手術療法と保存療法との間に明確な一線がなく,治療法の選択権(手術を決定する権利)の一部を患者が濃厚に保有している場合が多いので,手術を奨める側と承諾し手術をされる側との間にはいわゆるinformed consentの確立がこと更に必要である.
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