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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科16巻3号

1981年03月発行

文献概要

シンポジウムII Riemenbügel法不成功例の原因と対策

先天股脱のRiemenbügel法不成功例の原因と対策

著者: 山田勝久1 蜂谷将史2 杉本康三2 平井三知夫2 土屋弘吉3 古橋一正3 山本真4 山下勇紀夫4

所属機関: 1横浜南共済病院 2横浜南共済病院整形外科 3横浜市立大学医学部整形外科学教室 4北里大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.278 - P.284

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はじめに
 今世紀前半においては,先天股脱の治療に対する幾多の先人の業績が,そのまま整形外科学の進歩の歴史であるといつても過言ではなかろう.そして後半に入つてからは,早期発見,早期治療が一般化し,先天股脱の多くは乳児期に治療されるようになつたが,治療成績は必ずしも良好なものばかりではなかつた.しかるに,Pavlikの考案したR. B.法の出現によつて,従来では考えられないような治療成績が得られるようになつた.特に骨頭変化の減少は顕著で,最近では骨頭変化の症例報告もみられる程である.しかし,それでも先天股脱のすべてがR. B.法で整復されて完全治癒するはずはなく,内外の報告をみても,完全脱臼の整復率は50%〜90%で,85%前後のものが最も多い.そしてR. B.法のみで自然整復されたものの方が整復されないものより治療成績が良いことも共通している.そこで自然整復率を上げれば,成績は更に向上するであろうと整復法に工夫を加えようと考えたのは自然の成り行きであろう,屈曲を強めたり,膝の下にpaddingをしたり,腹臥位をとらせたり,開排をつよめるように後面に補助バンドをつけたりしたのもそのあらわれであるが,後二者のように骨頭変化を助長するような結果になつたものもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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