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臨床経験
高年齢で発見された癩腫型癩の1例
著者: 吉峰史博1 青木善昭1 高田知明1 伊藤恵康2
所属機関: 1大田原日赤病院整形外科 2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.318 - P.321
文献購入ページに移動癩病は1873年ハンセンにより発見された抗酸性桿菌である癩菌の感染によりおこる,きわめて慢性の伝染性疾患であり,ハンセン氏病とも呼ばれる.日本における癩患者数,新発生数とも漸次減少し,ここ数年,年間届出患者数はおよそ60人となつている(第1表).そのうち沖縄およびその出身者の占める率は,約60%であり,沖縄以外の土地での癩新患は,非常に少ない.癩患者の著しい減少と重症患者の殆んどが収容されている事から,本症に遭遇する機会は,きわめて稀であり,一般に癩に対する関心も薄いため,診断不明のまま看過され,確実な診断が遅くなつているのが現状である3,6,8).
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