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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科16巻4号

1981年04月発行

文献概要

特集 Multiply operated back

腰椎多数回手術例の検討

著者: 小早川裕明1 石川道雄1 山下守昭1 伊藤晴夫1 石田義人1 片山直樹1 並木保憲1 森健躬1

所属機関: 1東京厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.392 - P.399

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 近年脊椎外科の進歩はめざましく,腰痛,下肢痛を呈する諸疾患に対し,積極的な手術療法を施し,すぐれた成績が一般に得られている.しかしながら,満足な結果が得られず,多数回手術にいたる例も決して少なくはなく,最近,この原因と対策がとみに注目されるようになつた.とりわけ腰痛疾患の中心である腰椎椎間板ヘルニアでは,その手術適応はもとより,手術方法の選択も大きく予後に影響を与えることがある.最も一般的に普及し,かつ,実施されているLove法は,直視下で病態を確認し,神経根に対して除圧を行いうること,手術操作が比較的容易なこと,手術侵襲にさしたる負担がなく,早期の社会復帰が可能なことなど,多くの利点を有してはいるが,手術操作が直接硬膜外腔におよぶことから,術後のlaminectomy membraneによる神経周囲組織の癒着,癒着性クモ膜炎,さらに椎間板組織の変性進行など,大きな問題をもあわせもつている.
 また一方では,これら整形外科的観点からのみでは不十分で,心因的要素も無視できない場合があり,ときとして精神科医との連携も必要となる.多様化した今日の社会では,こうした症例が一層増加傾向をたどるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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