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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科16巻5号

1981年05月発行

文献概要

症例検討会 骨・軟部腫瘍23例

症例17—全身骨に多発性打ち抜き像を呈した骨病変

著者: 高桑俊文1 品川俊人1 牛込新一郎1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病理

ページ範囲:P.514 - P.515

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 症例は,50歳女性.家族歴に特記すべきことなし.既往歴には先天性梅毒があり,現在でも血清反応は,陽性を示している.昭和50年,数回にわたり原因不明の発熱があり,また手指の骨折を起こした.昭和51年,近医にて白血球増多を指摘されたが,放置していた.昭和52年1月,両側鎖骨および胸骨部に圧痛出現し,精密検査の目的で当大学病院内科へ入院.入院時,理学的には著変を認めず,検査所見で,高度のリンパ球増加を伴う白血球の中等度増加(WBC 22000,Ly 81%)とAl-Pの上昇が注目され,Al-P isozymeで骨由来が確認された.梅毒血清反応は,STSおよびTPHA法共に陽性で梅毒性疾患の存在を示唆した.骨髄の検査では,リンパ球の中等度増加が認められたが,白血病については否定的であつた.全身の骨X線検査では,頭蓋骨,長管骨,手指骨に境界が多少不鮮明な多発性の骨打ち抜き像がみられた(第17-1図).尺骨および肩甲骨の2ヵ所より,生検が行われ本質的には,ほぼ同様の組織学的所見を示した,すなわち著明なる細胞増殖と骨の破壊が基本的変化と考えられた.増殖細胞の殆んどは,大型の類円形の細胞で,円形もしくは楕円形の,時に切れ込みを有する明るい核を有しており,一部には,著明な核小体を認めた(第17-2図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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