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シンポジウム 脱臼ペルテスとペルテス病
ペルテス病とペルテス様変化における静脈循環動態のちがい
著者: 岩崎勝郎1 鈴木良平1 宮田定倫1 山本登1 井上喜博2 島内良三2 野口雅夫2
所属機関: 1長崎大学医学部整形外科学教室 2国立長崎中央病院整形外科
ページ範囲:P.737 - P.745
文献購入ページに移動ペルテス病と先天股脱治療中に発生する骨端核変形(以下ペルテス様変化と略)とは,X線学的にも組織学的にもその表現型においては類似点が多く存在するし,その本態は大腿骨骨頭epiphysisへの血行障害によるischemic necrosisであるとする説が一般的である3,9,12,14).しかしこの血行障害発生のメカニズムやその後の血行再開の様態などについてはいまだ不明の点が多く,これら究明のために,動物実験によるsimulationの作成,RIによる研究,組織学的研究,血管造影など多岐にわたる研究が行われてきている.
骨髄造影による大腿骨骨頭の静脈循環動態に関する研究は1958年のHulth4)以来多くの報告があるが,ペルテス病に関しては斯波15),Mizuno11),Suramo16),岩崎6,7)などにより報告されており,またペルテス様変化に対しても竹内ら17)の研究がある.
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