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シンポジウム 脱臼ペルテスとペルテス病
Dysplasia epiphysealis capitis femoris(Meyer)について
著者: 稲松登1 矢野悟1 金原宏之1
所属機関: 1兵庫県立のじぎく療育センター
ページ範囲:P.763 - P.769
文献購入ページに移動大腿骨骨頭核の壊死範囲に応じたペルテス病のX線学的病型分類がCatterall1)をはじめ数多く発表されている.ペルテス病の予後が初診時のX線学的病型分類のほかに,発症時年齢,性別,治療までの期間そして治療の有無により左右されることが指摘されてきた.一般的に,Catterall分類第1型で代表されるpartial typeは年齢や治療の有無に拘わらず予後が良好であるため長期の治療を必要としない.一方,低年齢では病型分類に関係なく放置される症例も多い.換言すれば,低年齢発症のpartial typeのペルテス病はその予後が極めてよい.
一方,片側性ペルテス病と診断されたものの中にそのX線経過がいわゆる,cyclic changeを示さなかつたり,反対側の大腿骨骨頭核異常を呈したり,他方,両側性ペルテス病と診断した一側の大腿骨骨頭にcyclic changeのない症例が報告されている.いずれも予後が極めて良好である非定型的なペルテス病の存在が明らかになり,報告者により種々の名称で記載されてきた5,6,8,11,12).
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