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論述
悪性骨腫瘍に対する広範切除術と機能再建術について—特にextracompartmental surgeryの意義
著者: 荻原義郎1
所属機関: 1三重大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.791 - P.799
文献購入ページに移動四肢の骨悪性腫瘍の治療において罹患肢を切断する事なく治癒せしめる事が可能ならば四肢悪性腫瘍を有する患者にとってそれは極めて大きな福音であろう.しかし実際に生存率を全く低下させる事なく罹患肢の温存が可能であろうか? この問に対しWatts24)らは"現在においては可能であろう"と答えている,患肢を温存しようとするpioneer的な努力はLexer9,10),(1908,1925),Linberg11),(1928),Phemister20)(1940,1951),Ferguson8)(1940)などによって古くより報告されていた.Bowden3),Dahlin4),McKenna16)らの報告によると当時の切除術の成績は切断術にはるかに劣り,決して良いものではなかった.ところが1960年代以降は,化学療法,放射線療法などの分野での飛躍的な進歩があり,これらの療法の支援の下に四肢温存の手術の成績も次第に改善されて来ている.
そして現在では,従来,患肢の切離断に完全に依存していた四肢骨悪性腫瘍の治療体系は四肢温存の可能性を追及して大きく変動しつつあるといっても過言でない.しかしもちろん,この方法が全ての骨悪性腫瘍に対し,全ての発生部位のものに対し,また全てのstageにおいて全面的に可能であるという訳ではなく,腫瘍の組織学的悪性度,発生部位,大きさなどによってその適応は厳選されねばならない.
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