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論述
関節炎とプロスタグランディン
著者: 徳永正靱1 力丸暘2 若松英吉3 大内和雄4 鶴藤丞4
所属機関: 1東北逓信病院整形外科 2国立鳴子病院整形外科 3東北大学整形外科学教室 4東北大学薬学部生化学教室
ページ範囲:P.829 - P.834
文献購入ページに移動関節炎の症例に対して,その消炎と鎮痛が治療の主な部分を占めることが多い.また薬剤として日常多用されている非ステロイド系抗炎症剤には,その薬理作用が,炎症のchemical mediatorとされるプロスタグランディン(prostaglandin,以下PG)の生合成阻害作用によるという薬剤が多い.しかし,臨床的にこのPGが,どのように作用するか,あるいは抗炎症剤によつてどのような影響を受けるのかはPGの正確な測定が大変難しいこともあつて意外に判つていない.
一方,悪性腫瘍の骨転移による骨吸収17),あるいはRAなどの炎症性の骨吸収8,15)の際に,PGが積極的に関与する2)という報告を見ると,整形外科領域の疾患の病態のプロセスの中で,PGが活発に作用し,病勢を変化させているケースが予測される.
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