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論述
股関節の求心性と接触圧分布について—第1報:小児股関節をめぐつて
著者: 姫野信吉1 西尾篤人1 川井忠彦2 竹内則雄2
所属機関: 1九州大学医学部整形外科 2東京大学生産技術研究所
ページ範囲:P.835 - P.845
文献購入ページに移動小児期における股関節外科の最大の治療目標は,種々の疾病によつて失われた股関節の求心性を回復させ保持させることにより,将来の変形性股関節症の発症を予防することにあるといつてよい.現在までに多くの治療法が提案され,この治療目標に対する効果が検討されてきた.しかしながら,適応決定の問題,特に個々の症例に関して最善の治療法は何であるかを決定する点については議論が多く,容易に意見の一致をみないのが実情であろう.
著者らは,この混乱の最大の原因は,個々の股関節の求心性の良し悪しを定量的に評価する方法論の欠如にあると考える.すなわち,たとえば第1図aに示す7歳男児Perthes病例において,
①大腿骨頭が関節外に抜け出ようとする力(=脱臼力(仮称);求心性の悪さ)はどの位であるか?
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