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論述
多数回手術を要した腰部椎間板ヘルニアの問題—そのsalvage手術法について
著者: 鵜飼茂1 平林洌1 若野紘一1 里見和彦1 戸山芳昭1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.4 - P.14
文献購入ページに移動腰部椎間板ヘルニアに対する手術療法は,一般にLove法を中心として多く行われているが,術後に腰痛,下肢痛などの症状を訴え,その結果再手術に至る症例も少なくない.それらが,近時Multiply Operated Back(以下M. O. B.と略す)として注目されていることは周知の通りである.
M. O. B.においては,将に予防に勝る治療はない.つまり初回手術に際して術前その病態を十分に把握し,M. O. B.を発生させることのないように適切な配慮を払うことがthe bestであることに異論はない.しかし現実にはやむなく再手術を要する症例にたまたま遭遇する.この場合には,術後という悪条件が加わっているため,一層その病態は複雑となる.したがってこの場合にもまずこの病態の把握に努め,second bestとして各salvage法を適応することによって決して再々度の手術には至らないように努力すべきことも当然である.
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