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論述
頸椎部ミエログラフィー—MyodilとAmipaqueとの比較検討
著者: 松岡彰1 服部奨1 河合伸也1 今釜哲男1 小田裕胤1 多原哲治1 矢野博1
所属機関: 1山口大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1011 - P.1022
文献購入ページに移動頸椎・頸髄疾患において手術的治療を考える上で頸椎部ミエログラフィーの意義は大きく,手術の適応や術式の選択,手術部位の決定等に多くの情報が得られる8,9,11,20,26).従来,本邦では頸椎部ミエログラフィーには油性造影剤のethyl iodophenyl undecylate(Myodil)が広く用いられていたが,1981年よりMyodilの発売が中止されたため,水溶性造影剤metrizamide(Amipaque)を使用せざるを得なくなっている.
水溶性造影剤は,油性造影剤に比較して造影能が良好で,吸引排除の必要がなく,arachnoiditisの発生も少ないという点で優れており10),主としてスカンジナビア諸国で開発された.最初の水溶性造影剤はAbrodil(1931年)で,スウェーデンで開発されたものであるが,神経刺激性が強く広くは用いられなかった.1963年,Conrayが,続いてDimer-Xが開発されたが,いずれも腰椎部のみに使用されていた.
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