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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科17巻10号

1982年10月発行

文献概要

論述

小児大腿骨頸部骨折と骨頭壊死

著者: 岩崎勝郎1

所属機関: 1長崎大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1023 - P.1034

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はじめに
 小児大腿骨頸部骨折の合併症として,骨頭壊死,骨端線早期閉鎖,内反股,骨癒合不全などが挙げられているが,中でも骨頭壊死は予後に大きく影響するという点で最も重要な合併症である.この骨頭壊死の発生頻度は,Carrell and Carrell2)によれば33%,Ratliff14)42%,Lam10)17%,Canale and Bourland1)43%などの報告からして,成人の頸部内側骨折のそれに匹敵する数である.しかし小児の頸部骨折そのものはそう多く発生するものではなく,ましてそれに続発した骨頭壊死は更に数が少なくなるため,その原因や病態あるいは治療法などではまだ未解決の点が多く残されている.そして,これとペルテス病との異同に関しては,同様の病像だとする説と,異なるものだとする説にわかれて論議されているのが現状である.
 本論文では,骨頭壊死を起した自験例の5例と文献上にみられる例を分析して,小児頸部骨折後の本合併症の原因,病態,治療法さらにペルテス病との関連などにつき検討を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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