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論述
三次元下肢アラインメントから見た変形性膝関節症の病態について
著者: 姫野信吉1 姫野忠彦1 姫野礼吉2
所属機関: 1福岡市立こども病院 2姫野整形外科病院
ページ範囲:P.1227 - P.1234
文献購入ページに移動変形性膝関節症(以下膝OA)においては,前額面における内反変形のみならず,水平面における回旋変形をも加わった,複雑な三次元下肢アラインメントの変化をおこしてくることは,近年次第に注目されるようになってきた.しかし,計測の困難さのために,現在にいたるも充分な解明が得られたとは言い難い.
著者らは電算機を援用した,二方向立位下肢レ線像を用いる三次元下肢計測システムを開発し,膝OAのアラィンメントの変化を観察してきた.その結果,膝OA例には,平均約20°の下腿内捻が認められること,この器質的内捻は,股及び膝関節における各々10°ずつの機能的外旋で代償されていることを確認した3).ここにおいて約20°の器質的内捻が,どのようにして生じてきたのか,即ち,膝OAの原因として,当初から存在していたものなのか,それとも膝OAの結果として二次的に生じてきたものであるのかという点は,未確認に留まった.
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