文献詳細
文献概要
臨床経験
Cleidocranial dysplasia—3代10名に発症した1家系報告とその遺伝的考察
著者: 渡部健1 杉浦保夫2
所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科学教室 2西尾市民病院整形外科
ページ範囲:P.1245 - P.1254
文献購入ページに移動鎖骨・頭蓋骨異形成症cleidocranial dysplasiaは,在来,dysostosis cleidocranialis,dysostosiscleidocranialisと呼ばれてきた疾患そのものであるが,1979年発表の先天性骨系統疾患国際命名法International Nomenclature of Bone Dysplasiasでは,この名称が正式に採用されている.本症は 1)鎖骨の先天性完全欠損もしくは,不完全欠損,2)頭蓋縫合・泉門の開存を主変化とする疾患で,常染色体性優性遺伝疾患として知られている.
今回,著者等は本症の典型症例,男子9歳例を経験し,この患昔を発端者とし,家系調査を行ったところ,この家系においては常染色体性優性遺伝形式を示して3代にわたって,10名の罹患者があることが判明したので,その大要を報告し,主として日本文献について詳細に検索し,特に遺伝学的見地より考察を加えて発表する.
掲載誌情報