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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科17巻2号

1982年02月発行

文献概要

論述

骨塩分布像(度)による骨萎縮度の評価

著者: 林泰史1

所属機関: 1東京都養育院附属病院整形外科

ページ範囲:P.110 - P.117

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緒言
 骨萎縮度を正確に評価する方法の開発は,代謝性骨疾患の治療法の開発にも直結するため,臨床医の待望するところである.現在,臨床的に用いられている骨萎縮度評価方法は大別すると,テトラサイクリン二重標識法をも含めた骨組織形態計測法1),レ線フィルムから骨濃度や骨皮質幅を計測するレ線学的計測法2),放射性元素からの線束の吸収されたエネルギーから骨密度を計算する骨塩分析法3)などがある。前2者の評価法は三次元に存在する骨密度の変化を平面で認識し,それを一次元に数量化しようとするもので,後者は三次元の骨萎縮をある直線に沿って評価し数量化するものである.
 数量化された骨萎縮度は,症例の経時的変化の分析や群間比較をする際などには都合が良く利用価値が高いが欠点もある.欠点の1つは数量化された骨萎縮値から萎縮の程度が把握しにくいこと,また骨萎縮を招来している原疾患や骨萎縮の性質,特徴が表現しにくいことである.また欠点の3番目は骨萎縮が何らかの治療や投薬に反応して治癒傾向に向ったとき,すなわち骨吸収から骨形成への折り返し点が数量化された骨萎縮値からは認識しにくいことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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