文献詳細
文献概要
症例検討会 骨・軟部腫瘍10例
症例1—右前足部悪性軟部腫瘍(Clear Cell Sarcoma with Melanin)
著者: 望月一男1 加藤正1 原寛1 仁科秀雄1 河路渡1 米沢志生子2 前田昭太郎2 福住直由2
所属機関: 1杏林大整形外科 2杏林大病院病理
ページ範囲:P.236 - P.239
文献購入ページに移動病歴:18歳頃より右第5趾MP関節付近に無痛性の腫瘤に気付いたが放置していた.昭和55年6月足部を捻挫してから同部が腫脹し有痛性となったので,9月1日当科を受診した.腫瘤は第5趾MP関節の外側から蹠側にかけて4×3cm大,弾性軟で,x線像で腫瘤陰影をみるも骨には異常はなかった(図1-1).赤沈値の亢進以外検査に異常はなく,99mTcシンチで右足関節より足部にかけて集積像がみられた.初回手術(摘除術)後,synovial sarcoma,epithelioid typeとの組織診断をえたので,制癌剤持続動注を行い6週後に右下腿切断術を施行した.しかし,5週後に右鼠径部に転移巣が出現し,リンパ節郭清術を行ったが局所再発した.肺転移が明らかでないため骨盤半切除術を検討したが同意を得られず,患者は近医で化学療法を受けたいとの希望で56年3月退院した.
掲載誌情報