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臨床経験
脊髄硬膜外血腫の1治験例
著者: 佐々本博1 矢部裕1 吉沢英造1 鈴木俊明1 大久保和彦1
所属機関: 1名古屋保健衛生大学医学部整形外科教室
ページ範囲:P.287 - P.291
文献購入ページに移動脊髄硬膜外血腫は,1869年Jacksonによりspinalapoplexyとして報告されて以来,すでに100を越える症例があり,本邦においても,20例近い報告があるが,いまだその本態は明らかでない.すなわち,その多くは明らかなる原因のない血腫であり,抗凝固療法中の症例や軽微な外傷に続発するもの,また血管異常によるとされるものもある.
血腫形成部の脊髄領域に一致した突然の疼痛ではじまり,急速な麻痺を呈するものが大部分で,一般に胸椎から胸腰移行部に好発し,頸椎に出現することは比較的少ない.
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