文献詳細
文献概要
特集 脊椎分離症・辷り症
脊椎分離症・辷り症の手術成績から見た手術術式の選択
著者: 松井宣夫1 井上駿一1 宮坂斉1 渡部恒夫1 三枝修1 田中正1 山県正庸1 大塚嘉則2
所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室 2国立千葉東病院
ページ範囲:P.357 - P.366
文献購入ページに移動分離・辷り症の疼痛発現に関しては,種々の説がある.分離症に関しては,西16)の分離椎弓の背側浮上,背側神経枝の牽引痛,伊藤8)の分離椎弓動揺による腰神経後枝内側枝の刺激があり,Adkins1)は分離部の異常可動性が脊髄神経を刺激し,二次的炎症癒着を起こすためとしている.辷り症においては,Gill4)の分離部におけるfibrous tissueによる神経の圧迫やhyper extensionによるlaminaの根圧迫,硬膜と黄色靱帯の癒着をその原因としている.Macnab13)は,25歳以下の腰痛患者のうち他の年齢層に比し19%と有意に辷り症の発生頻度が高いことを指摘している.Macnabは本症の疼痛のメカニズムとして不安定椎,神経根のforaminal encroachment,神経根のforamen外方での圧迫,椎間板変性をあげている.
掲載誌情報