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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科17巻4号

1982年04月発行

文献概要

特集 脊椎分離症・辷り症

腰椎分離症,辷り症に対する後方固定術と前方固定術の術後成績

著者: 宮崎和躬1 中井徹1 笠原勝幸1 松田文秀1 岩瀬方人1 斎藤哲文1

所属機関: 1天理病院整形外科

ページ範囲:P.376 - P.385

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I.はじめに
 脊椎辷り症については,1782年にHerbiniaux3)によって文献上はじめて記載され,1853年Bonnの婦人科医Kilian8)が脊椎辷り症と命名記載し,1880年Warschauの婦人科医Neugebauer18)がpars interarticularisの離断,すなわち脊椎分離症が本症の原因であると報告して以来,腰痛を起こす疾患として脊椎分離症および辷り症が注目されるようになった.そして下位腰椎のX線学的診断法の進歩とともに,その原因,病理および治療法に関して著しい発展をみ,邦外を問わず多数の報告がある.
 脊椎分離症の病因については,宮城14)の述べているように先天性素因を基盤とした後天的な持続的外傷説が有力である.その症状発現の機序については,Gill2)の分離部をみたす線維性軟骨組織による神経根の圧迫刺激説や同じくAdkins1)の分離部の異常可動性による炎症,癒着による神経根刺激説,西17)の前彎増強によるstatic lumbago説,西17),桐田9)の不安定説および伊藤6)の腰神経根後枝内側枝説などいろいろの説があるが,確立されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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