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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科17巻4号

1982年04月発行

文献概要

特集 脊椎分離症・辷り症

高度腰椎辷り症の整復と固定法の適応について

著者: 大木勲1

所属機関: 1自治医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.386 - P.393

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I.はじめに
 歴史上初めて脊椎辷り症がとりあげられたのは,1782年ベルギーの産婦人科医Herbiniaux3)によってであり,彼は第5腰椎が仙椎前面に落ち込んでいる症例をとりあげ,出産の障害になることを指摘した.その後,1854年にKilian9)が脊椎辷り症spondylolisthesisなる用語を使用して,この原因を腰仙椎椎間関節の亜脱臼によって起こることを記載してから,外科医の関心を集めるようになり,その後も次々にRobert24),Lambl12)およびNeugebauer19)ら主としてその病態の問題を中心に,ヨーロッパの外科医の深い関心を集めてきた.そして同時に治療法についても多くの興味が持たれていたが効果的治療法が見い出せずに年月がすぎてきた.1936年Jenkins8)がはじめて牽引により辷りを整復して前方椎体固定術により治療した一例を報告して注目を集めた.しかしこの方法も手技上の困難さとその後の偽関節形成の多さなどから,整復と固定の問題はかえりみられずに30年も過ぎた.1966年Lance13)により大腿骨直達牽引により整復した後に後側方固定を行う方法が発表されて,再び辷った脊椎を整復することについての関心が高まり,Daymondは1969年にHalofemoral tractionで整復して後方固定術を行う方法を発表した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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