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論述
進行乳癌,とくに骨転移癌に対する化学療法の試み
著者: 梅田透1 高田典彦1 保高英二1 遠藤富士乗2
所属機関: 1千葉県がんセンター整形外科 2千葉大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.459 - P.469
文献購入ページに移動乳癌は従来より経過が長く,しかも最も高頻度に骨転移を起こしやすい悪性腫瘍のひとつと考えられている.このため骨転移による疼痛,時には病的骨折,脊髄麻痺を生じ,われわれ整形外科を受診する症例も少なくない.しかしこれら進行乳癌は一般的に末期癌と考えられ,積極的かつ系統的に治療が行われることはほとんどなく,対症的治療にとどまることが多かった.そこで今回われわれは,他医にて原発巣手術後に骨転移または骨転移に肺転移を合併した進行乳癌症例に対して全身化学療法を中心とした治療を行い,比較的良好な成績を得たので中間的ではあるが,われわれの治療経験の概略を述べるとともに現在における進行乳癌に対する治療法について考察を行った.
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