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論述
二分脊椎の脊髄造影所見について
著者: 山根友二郎1 山下武広2 中川武夫3 松岡明3 住吉徹是4 高橋英世5 真家雅彦5 大川治夫6
所属機関: 1帝京大学医学部整形外科学教室 2千葉市立病院整形外科 3千葉大学医学部整形外科 4松戸市立病院整形外科 5千葉大学医学部小児外科 6筑波大学小児科
ページ範囲:P.557 - P.567
文献購入ページに移動本邦における脊髄髄膜瘤の発生頻度は欧米に比べ,約1/10の1,000の出生に対して0.2〜0.4人とされ,決して多いものではないが,近年,整形外科領域で次第に大きな注目を集めつつある.これには2つの主な理由がある.1つはポリオなどの感染症による後遺症が激減したこと.他の1つは開放性脊髄髄膜瘤の超早期閉鎖手術13)と水頭症に対するシャント手術などにより救命率が著しく上昇したこと.生存率が高くなった反面,一方では神経症状などの重大な合併障害が今後の問題として残されたことである.このため欧米では重度の症例の超早期閉鎖手術を行うべきか否かの治療選択の問題がとりあげられるにいたっているが,本邦では幸にLorber6)のあげるadverse criteriaに相当する症例は極めて稀であり,われわれは,1968年以来10),超早期閉鎖手術を基本的方針として治療を行ってきた.一方,閉鎖型の脊髄髄膜瘤,脊髄膜瘤に対しては神経症状などを考慮しつつ手術を行っている.手術に先だち神経学的評価は極めて大切であり,多くの方法が行われている17).また,脊髄の異常を伴う本症では脊髄,根の状態を把握しておくことも大切である.脊髄造影は脊柱管内状態について種々の情報と神経学的評価についての重要な資料を提供してくれる.
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