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手術手技シリーズ 脊椎の手術・7
脊椎分離すべり症に対する後方固定術式
著者: 茂手木三男1 岡島行一1
所属機関: 1東邦大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.569 - P.578
文献購入ページに移動脊椎分離すべり症に対する後方固定術は,1912年FitchがAlbee法を行ったのが最初で,その後Hibbs法,Henle法,BosworthのH-graft法,Watkinsの後側方固定法,またはClowardによる後方からの椎体固定術など多くの術式が報告されている.
本邦では,光安の棘突起側方と分離部への骨移植法,河野の棘突起鋼線固定と1側骨片移植法,浦田のHenle変法,岡田,蒲原らのE-Graft法などの他,最近ではHarrington-rodやKnod-rodなどを用いた固定術も行われている.以上のごとく数多くの術式がありそれぞれに良い治療成績が報告されているが,これはいかなる方法によってでも後方要素が固定され,脊椎の異常動揺性が防止されれば,それなりの効果があげられることを示している.したがっていかなる術式を選択するかは,手術手技が簡単で侵襲が少なく,しかも慣れた方法がよいということになろう.そこで脊椎分離すべり症の愁訴発現機序についての考えと,われわれが行っている後方固定術について述べる.
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