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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科17巻6号

1982年06月発行

文献概要

検査法

非脱灰骨組織標本の作成方法ならびに整形外科的骨疾患に対する応用

著者: 渡辺正美1 佐々木佳郎2

所属機関: 1横浜市立大学医学部整形外科 2神奈川県立こども医療センター病理 3

ページ範囲:P.579 - P.584

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 非脱灰骨標本は骨をできるだけ生体に近い状態で観察できるため,種々の代謝性骨疾患を初め,骨腫瘍,リウマチ,変形性関節症,ならびに大腿骨骨頭壊死などの整形外科的疾患の骨病変に関して,特に骨のremodelingを主体とした組織学的検索や付随した実験的研究に有用である.
 通常の骨の脱灰標本による観察では,電気脱灰,またはEDTAや酸による脱灰操作により,骨組織中の無機質の性状が損われてしまうため,特に代謝性骨疾患に関しては,正確な組織学的診断を下すには十分であるとは言い難い.つまり脱灰骨標本の欠点としては,骨と類骨の判別が困難であり,したがって骨梁の表面に骨芽細胞が存在していても,そこで正常な石灰化が行われているかどうか不明であること,また,骨細胞腔の大きさや形状が,脱灰操作により変化してしまい,例えば,正確なosteocytic osteolysisの状態などが把握できないことなどである1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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