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検査法
非脱灰骨組織標本の作成方法ならびに整形外科的骨疾患に対する応用
著者: 渡辺正美1 佐々木佳郎2
所属機関: 1横浜市立大学医学部整形外科 2神奈川県立こども医療センター病理 3
ページ範囲:P.579 - P.584
文献購入ページに移動通常の骨の脱灰標本による観察では,電気脱灰,またはEDTAや酸による脱灰操作により,骨組織中の無機質の性状が損われてしまうため,特に代謝性骨疾患に関しては,正確な組織学的診断を下すには十分であるとは言い難い.つまり脱灰骨標本の欠点としては,骨と類骨の判別が困難であり,したがって骨梁の表面に骨芽細胞が存在していても,そこで正常な石灰化が行われているかどうか不明であること,また,骨細胞腔の大きさや形状が,脱灰操作により変化してしまい,例えば,正確なosteocytic osteolysisの状態などが把握できないことなどである1).
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