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論述
北海道における骨肉腫の年次分布(第3報)
著者: 井須和男1 後藤守1 山脇慎也1 姥山勇二1 石井清一2 佐々木鉄人2 薄井正道2 八木知徳2
所属機関: 1国立札幌病院整形外科 2北海道大学医学部整形外科
ページ範囲:P.653 - P.659
文献購入ページに移動現在推測されている骨肉腫の病因論のひとつにウイルス説がある.動物実験ではウイルスによる骨肉腫の発生がみられている2,13).またヒトの骨肉腫においてもウイルスの関与を示唆する報告がなされている3,8,11,12,17).骨肉腫の発生にウイルス感染が大きな影響をもっている可能性を推論するためには,骨肉腫の発生分布に地域的または時期的な集積性を証明することが重要な根拠を与えることになる.われわれは,以上の観点から過去2回にわたって北海道の骨肉腫の発生状況を報告してきた6,7).いずれの観察でも,骨肉腫の発生には集積性はないという結果に終わっている.しかし,その観察期間と症例数が充分でなかったところから,まだ結論を得るにいたっていない.今回は,観察期間を昭和35年より昭和54年までの20年間に延長することによって,北海道における骨肉腫の地域的時期的集積性の有無に何等かの結論を得ようとした.
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