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臨床経験
Polymyalgia rheumaticaの1例
著者: 石川浩一郎1 田中孝明1 田村和弘1
所属機関: 1熊本大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.701 - P.705
文献購入ページに移動Polymyalgia rheumatica(リウマチ性多発筋痛症)(以下PMR)はヨーロッパ諸国に多く,種々の名称で報告されているが1,39),1957年Barberにより初めて現在の病名が用いられた.この疾患は高齢者に多く,肩甲帯・骨盤帯の疼痛,血沈の高度促進,副腎皮質ステロイド剤が著効を示すことなどの特徴を有している.また,しばしば側頭動脈などの巨細胞動脈炎を伴うことでも知られている.本邦では,1967年,金久らによりはじめて報告されているが14),極めて稀と考えられていた.しかし,ごく最近になり認識が高まったためか症例報告が増える傾向にある.われわれも典型的なPMRで側頭動脈炎を伴うと考えられた1例を経験したので,若干の文献的考察とともに報告する.
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