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臨床経験
環小指間にcleftが存在する先天奇形手について
著者: 加藤貞利1 石井清一1 荻野利彦1 塩野寛2
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2札幌医科大学法医学教室
ページ範囲:P.811 - P.819
文献購入ページに移動Swansonが発表した四肢先天奇形の分類法は,2,3の問題点が指摘されてはいるが9,11,12,25),現在最も広く用いられている分類法である.今回,著者らはこのSwanson分類を含む従来の分類法では,いずれの範疇に属するのかまだ分類が確立されていない3例の奇形手を経験した.しかもこの3例はともに環小指間にcleftが存在するという外表奇形が似ているばかりではなく,小指の機能障害の状態や,血管造影所見,皮膚紋理所見でも共通する所見が認められた.この疾患の分類を考える時,これを裂手症とみるか,尺側列形成障害の部分症である小指形成不全とみるかについては,種々の問題がある.著者らは,この3例から得られた各所見を分析し,この疾患の分類上の位置づけについて検討した.
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