臨床整形外科17巻8号

1982年08月発行

臨床経験

距骨に発生したOsteochondritis dissecans（Osteochondral fracture）の4例

著者： 北田力¹ 佐々木裕次²

所属機関： ¹済生会中和病院整形外科 ²奈良医大整形外科

ページ範囲：P.831 - P.835

　距骨における離断性骨軟骨炎については，1856年にMonroがloose osteocartigious body in ankle jointとして報告したのが最初であると言われ，その後欧米においては300例以上に及ぶ報告がなされている^2）．しかし，本邦における報告例ははなはだ少なく，私達が調べ得た範囲内においては増原が昭和31年に初めて報告して以来，わずかに35症例を数えるに過ぎなかった^1,16〜22）．
　今回，私達は比較的稀な本症の4例を経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する．