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誌上討論
幼児期先天股脱(遺残性亜脱臼)に対する骨盤骨切り術と大腿骨骨切り術
著者: 寺山和雄1 山田勝久2 香川弘太郎3 石田勝正4 坂口亮5 岩崎勝郎6 上野良三7 井村慎一8 黒木良克9
所属機関: 1信州大学医学部整形外科学教室 2横浜南共済病院 3兵庫県立こども病院 4京都大学医学部 5心身障害児総合医療療育センター 6長崎大学医学部 7奈良県立医科大学 8金沢大学医学部 9昭和大学藤ヶ丘病院
ページ範囲:P.873 - P.886
文献購入ページに移動1981年3月31日,第54回日本整形外科学会において,幼児期先天股脱(遺残性亜脱臼)の治療に関するパネルディスカッションが行われた.寺山と山田はこの討議の司会を担当させられたが,当初,会長から頂いた題名は「骨盤骨切り術か大腿骨骨切り術か」であった.この問題は先天股脱研究会その他で長い間討議されてきたもので,ある人は好んで骨盤骨切り術を採用し,ある人は好んで大腿骨骨切り術を採用しており,それぞれに主張すべき点があり,ある程度の対立点がある.しかし両者は症例の病態に応じて適宜に選択して用いられるべきもので,二者択一的に全く対立すべきものでもないところから,題名を「骨盤骨切り術と大腿骨骨切り術」に変更して頂いた.骨盤骨切り術か大腿骨骨切り術かという白黒をはっきりつけるような議論であれば参加者あるいは読者にも理解しやすいと考えられるが,微妙な使いわけとなると単なる言葉による表現では理解し難い点も多いと考え,討議は症例を中心に具体的質問を設定して,個々のパネリストの考え方を理解してもらう方針とした.
この報告は学会のパネルディスカッションをもとに,まず各パネリストにそれぞれの主張したい点を簡潔にまとめて頂き,総括的事項に関する4つの質問に対する回答および当日討論に使用した症例のスライドを各パネリストに送って司会者の設定した質問に対する回答を改めて提出して頂き,それらをまとめたものである(寺山).
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