文献詳細
文献概要
手術手技シリーズ 脊椎の手術・9
腰椎疾患のInstrumentation Surgery
著者: 金田清志1
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.887 - P.896
文献購入ページに移動種々な腰痛ないし坐骨神経痛疾患に対し,腰椎あるいは腰仙椎固定が行われている.より確実な固定性を獲得するため,従来いくつかの内固定implantsの応用が試みられてきたがあまり一般化しなかった.Kingのmetal screw fixationは,Boucher, Pennal et al. と引きつがれたがその後発展せず,Wilsonの片側棘突起のplate固定も固定性に問題があった.Roy Camilleはscrew & plate systemを発展させ広汎に応用している.Attenborougのspringもその後の報告がない.Harrington instrumentationは本来,脊柱側彎症の矯正固定に発案されたものであり,限局性の腰仙椎固定ではhookやrodのサイズや調節性に問題がある.Knodt rodは装着性の難点と1椎間固定に応用し難い点がある.著者はHarringtonとKnodtのアイディアを発展させた新しい腰椎—腰仙椎固定用のhook & rod systemのimplants(北大式instrumentation)を作成し,過去7年間に200例をこえる使用経験を重ね頻々報告してきた3〜6).ここに著者の常用している腰椎および腰仙椎部のInstrumentation Surgeryを記述する.なお現在最も頻度の多い腰仙椎固定のanterior instrumentationは応用し得るものが確立されていない.
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