文献詳細
文献概要
臨床経験
Salter手術後の骨盤変形の検討
著者: 加藤貞利1 加藤哲也1 伊藤邦臣1 増田武志1 深沢雅則1 山根繁2 多胡秀信3
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2函館中央病院整形外科 3釧路市立病院整形外科
ページ範囲:P.905 - P.910
文献購入ページに移動Salter骨盤骨切り術は,主として幼児期の臼蓋形成不全に対して用いられる手術である1).しかし,術後に骨盤の変形をきたす場合があり,臨床的に問題となることも少なくない.骨盤変形の原因の一つに数えられる腸骨翼の成長障害は,腸骨apophysisに加えられる手術時の侵襲に起因すると考えられている.腸骨翼の外側への張り出しが障害されれば,外見上の醜形を呈するばかりではなく,中殿筋付着部の面積の減少にともなう中殿筋筋量の低下および中殿筋の生力学的な効果の減少を招くことになり,結果として中殿筋不全の状態を生ずることが考えられる.今回,著者らは手術方法,すなわち腸骨apophysisに対するapproachの方法によって骨盤変形の程度に差異が生ずるか否かを調査した.さらに,手術時年齢あるいは術後経過観察期間によって骨盤変形の程度に変化がみられるのかどうかを併せて検討した.
掲載誌情報