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論述
Compartment syndromeの早期診断と治療における筋内圧測定の有用性
著者: 飯塚正1 田中弘美1 土居通泰2 黒沢尚2 菅原暁2 高取吉雄2 夏山元伸2
所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室 2都立台東病院
ページ範囲:P.13 - P.18
文献購入ページに移動Volkmannが100年ほど前に上・下肢の阻血性拘縮について報告12,13)して以来,その誘因・原因・診断および治療について多くの報告がある2).その病態生理に関してもいくつもの説があるが,現在のところ,閉鎖された空間の内圧亢進状態が持続することにより,筋や神経組織が阻血性壊死に到った結果と考えられている.この内圧亢進状態を英米では主にCompartment syndromeと称していることは周知の通りである3).
このCompartment syndromeは種々の原因によって起こり得ること,およびその病態生理を知っていることは私達臨床家にとって大切なことだが,最も重要なことは確実で客観的な診断方法により,時期を逸せず早期に除圧術を施行し未然に悲惨な結果を防止する事である.
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