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論述
Infrapatellar Extensor ApparatusのAntero-proximal Advancementによる膝関節授動術について
著者: 冨士川恭輔1 伊勢亀冨士朗1 三倉勇閲1 松林経世1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.19 - P.28
文献購入ページに移動大腿骨骨折や膝関節周辺骨折および長期間の膝関節の固定が惹起する膝関節拘縮例は,原疾患に対する手術法や内固定子の改善と進歩により減少したとはいえ,なお後療法に極めて抵抗する重度膝関節拘縮例がしばしばある.このような例に対しては,従来から固有関節腔と大腿四頭筋を中心としたsuprapatellar extensor apparatusのreleaseまたは延長を主体とした関節授動術が行われている.しかし,重度の拘縮をきたした膝関節では,時に膝蓋骨が著明に低位を呈することがある.このような例に対して,従来のsuprapatellar extensor apparatusおよび固有関節腔の処置のみで授動操作を行うと,獲得した可動域に比例して膝蓋骨は著しく下垂し,その結果,大腿膝蓋関節のcongruityの破綻とcontact stressの増大などがおこりやすい.また,大腿四頭筋腱の延長の結果,膝蓋骨下極が脛骨前上縁に接触し,これが膝関節の運動性の新たな障害となっている例をみることも少なくない.
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