icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻1号

1983年01月発行

文献概要

論述

Infrapatellar Extensor ApparatusのAntero-proximal Advancementによる膝関節授動術について

著者: 冨士川恭輔1 伊勢亀冨士朗1 三倉勇閲1 松林経世1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.19 - P.28

文献購入ページに移動
はじめに
 大腿骨骨折や膝関節周辺骨折および長期間の膝関節の固定が惹起する膝関節拘縮例は,原疾患に対する手術法や内固定子の改善と進歩により減少したとはいえ,なお後療法に極めて抵抗する重度膝関節拘縮例がしばしばある.このような例に対しては,従来から固有関節腔と大腿四頭筋を中心としたsuprapatellar extensor apparatusのreleaseまたは延長を主体とした関節授動術が行われている.しかし,重度の拘縮をきたした膝関節では,時に膝蓋骨が著明に低位を呈することがある.このような例に対して,従来のsuprapatellar extensor apparatusおよび固有関節腔の処置のみで授動操作を行うと,獲得した可動域に比例して膝蓋骨は著しく下垂し,その結果,大腿膝蓋関節のcongruityの破綻とcontact stressの増大などがおこりやすい.また,大腿四頭筋腱の延長の結果,膝蓋骨下極が脛骨前上縁に接触し,これが膝関節の運動性の新たな障害となっている例をみることも少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら