文献詳細
論述
文献概要
はじめに
筋性斜頸は自然治癒する率の高い疾患である.その上,最近では篠田12,13,14),笠井9)らによる徒手筋切り術の普及により観血的手術を必要とする症例は減少してきている.しかし,今日でもなお手術を必要とする症例に遭遇することが少なくない.その場合,手術の目的は斜頸位という異常姿勢と頭部の運動制限をなくし再発させないことにある.術後成績の評価には,筋レリーフの消失が一つの目安とされているが,頸部の状態特に胸鎖乳突筋の残存形態には種々の形が見られる.そこで,われわれは当教室において行われた手術の治療成績を胸鎖乳突筋の残存形態に重点をおいて調査し,ここに筋レリーフの形成について屍体解剖学的考察を加えた.
筋性斜頸は自然治癒する率の高い疾患である.その上,最近では篠田12,13,14),笠井9)らによる徒手筋切り術の普及により観血的手術を必要とする症例は減少してきている.しかし,今日でもなお手術を必要とする症例に遭遇することが少なくない.その場合,手術の目的は斜頸位という異常姿勢と頭部の運動制限をなくし再発させないことにある.術後成績の評価には,筋レリーフの消失が一つの目安とされているが,頸部の状態特に胸鎖乳突筋の残存形態には種々の形が見られる.そこで,われわれは当教室において行われた手術の治療成績を胸鎖乳突筋の残存形態に重点をおいて調査し,ここに筋レリーフの形成について屍体解剖学的考察を加えた.
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