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論述
膝関節前十字靱帯損傷の臨床的診断法について
著者: 史野根生1 倉田陽一1 川崎崇雄1 広瀬一史1 井上雅裕1 後藤一平1 小野啓郎1
所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.47 - P.51
文献購入ページに移動膝関節の前十字靱帯は,近年,回旋不安定性(rotatory instability)の重大さが認識されるに及んで,その機能が重視されるようになり,前十字靱帯損傷に対する修復術や再建術が盛んに行われるようになった.
しかしながら,治療の点はともかく,診断面で,古典的な前方引き出し徴候と前十字靱帯のintegrityが必ずしも相関せず,本徴候のみで前十字靱帯損傷の診断を行うことは,少なからず無理がある.一方,関節造影や関節鏡では手技が煩雑で侵襲が大である点を容認するとしても,描写力や視野に限界があるだけでなく,しばしばその緊張(即ち,機能を有しているか否か)を把握するのに困難を感ずることが多い.
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