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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻10号

1983年09月発行

臨床経験

脊髄神経鞘腫による脊髄性クモ膜下出血の1例

著者: 大浜満1 新宮彦助1 木村功1 那須吉郎1 塩谷彰秀1 益永恭光1

所属機関: 1山陰労災病院整形外科

ページ範囲:P.971 - P.975

文献概要

 脊髄の出血性病変としての脊髄性クモ膜下出血の原因は,特発性のものやA-V malformationなどの血管性病変によるものが多く,脊髄腫瘍による出血は比較的稀とされる.1930年,Andrè-Thomasによるependymomaからの脊髄性クモ膜下出血例の報告以来,いくつかの報告例を散見するのみである.Iobら(1980年)は脊髄腫瘍のunusual onsetとしてのクモ膜下出血例をまとめ,自験例を含め報告している.これらの報告によると,原因となる脊髄腫瘍はependymomaやneurinomaが多く,他にmeningioma,astrocytoma,sarcoma,hemangioblastomaがあり,一般に若年者に多発し,発生部位としては脊髄円錐部から馬尾神経にかけて多くみられるとされている.
 最近,我々は脊髄円錐部のneurinomaを原因として発症した脊髄性クモ膜下出血の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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