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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻11号

1983年10月発行

文献概要

論述

膝蓋骨亜脱臼症候群—CT像による膝蓋・大腿関節の検討

著者: 八木知徳1 佐々木鉄人1 須々田幸一1 門司順一1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.1020 - P.1029

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はじめに
 膝蓋骨が亜脱臼位にあるため膝蓋・大腿(patellofemoral:PF)関節痛が生じたと思われる若年患者の一群がある.片岡10)のいう膝蓋骨不安定症や,再発性または習慣性脱臼,Trillat21)のいう膝蓋骨亜脱臼症候群の症例で,通常膝蓋骨は軽度外側へ偏位しており,X線軸射像で膝蓋骨の亜脱臼が明らかになる.
 習慣性膝蓋骨脱臼の分類に関しては定説がなく,膝蓋骨が外側転位のみを示す,いわゆる亜脱臼の診断は容易ではなかった.しかし最近福林4)はX線軸射像(skyline view)で,小林12)は二重造影X線像で容易に膝蓋骨亜脱臼が診断できることを報告し,診断法はじめその病態や概念がようやく明らかになりつつある.また従来思春期児童の膝関節痛で原因不明とされてきたものの中に,本疾患も含まれていると考えられる.特に本疾患と膝蓋軟骨軟化病の関連については最近注目を集めており,興味深い問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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