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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻11号

1983年10月発行

文献概要

境界領域

脛骨粗面前方移行術による膝蓋大腿関節の接触の変化について

著者: 中村信也1 福林徹2 村上俊2

所属機関: 1東京都立墨東病院リウマチ科 2東京大学医学部附属病院整形外科

ページ範囲:P.1097 - P.1102

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はじめに
 膝蓋大腿関節に由来する疼痛は膝蓋大腿痛Patellofemoral painと総称される.従来は脛骨大腿関節特に半月板に由来する疼痛に重点がおかれてきたが膝蓋大腿痛も劣らず相当数有すると思われる.Meachimは屍体膝の観察で膝蓋骨変性は10歳代よりみられ高齢者では100%近く存在し遙かに予想を上回る結果であったと報告している11).Ficatは膝蓋大腿関節特有疾患をMalalignment syndrome(膝蓋骨脱臼),Patello-femoral arthrosis(変形性関節症),Patello-femoral arthralgiaの3群に分けている.Patello-femoral arthralgiaは欧米で「膝内障」の意味合いで用いられるが特にchondromalaciaだけを指すことがある.Ficatはこの群にさらにexcessive lateral pressure syndrome(ELPS),reflex sympathetic dystrophyを加えている6).しかし膝蓋大腿関節の疾患は明確に分類できず互いに入り混っている面があり,定義は各人によって少々異なり混乱しているのが現況である.これらの疾患は全て原因不明であるが,膝蓋骨と大腿骨の関節不適合性を基因とするmechanical failure説が強い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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